感想置き場

自らの趣味を披露していけと言われたので

のだめカンタービレは好きになれなかった

 数年ぶりに読み返したが、数年間読み返そうと思わなかっただけあって案の定私の好みではなかった。

 楽しめなかった主な原因は、のだめの世界の前提である「音楽が好き」「曲を楽しむ」という概念が私にはまったく理解できなかったことにある。のだめの演奏に惚れ込む千秋やもっと上手くなりたいと考えるキャラクター達の熱意に全然共感できず、まるで異星人を見ているかのような気分で読んでいた。

 作品全体を通して描かれている「千秋・のだめの成長」は指揮・演奏の技法や巧拙で表現されているが、私に音楽の知識がないため何が描かれているのか分からず、過去の状態は悪いのか、本当に成長しているのか、いまいちピンと来ない。ストーリーの流れやキャラクターの表情から成長を読み取ることはできるが、形式として理解できるだけで実感として理解できるわけではない。

 上記したものと原因はほぼ同じだが、作品の3割くらいを占める曲・演奏の上手さや美しさについても理解できなかったため、多くのパートが退屈であった。

 また、恋愛要素を全然感じられなかったことも好きになれなかった要因の1つである。序盤の千秋は一貫してのだめの才能に惚れ込んでいるだけであり、のだめのピアノ以外の要素に目を向けていない、あるいは嫌悪していた。そのため千秋-のだめ間に恋愛要素を感じることはなかった。
 力を入れて熱心に読めば行間から愛を読み取れるのかもしれないが、前述の理由から読んでて楽しくなかったためそこまでする気力は湧かなかった。

 

以上。